中小企業のM&A資金調達ガイド|自己資金・融資・ファンドを活用した成功戦略

【2025年11月更新】

中小企業がM&Aを通じて事業拡大や承継を進める動きが加速する中で、最大の壁となりやすいのが「資金調達」です。
「自己資金では足りない」「銀行融資はハードルが高い」と感じる経営者も多いのではないでしょうか。

本記事では、中小企業がM&Aを成功させるために押さえるべき3つの資金調達手段(自己資金・融資・ファンド)を徹底解説。
さらに、補助金制度や実際の成功事例も紹介しながら、自社に最適なM&A資金戦略を立てるための実践的ヒントをお伝えします。

中小企業にとってM&A資金調達が難しい理由

中小企業がM&Aを実行しようとする際、多くの企業が資金面で課題に直面します。
最大の理由は、信用力や担保不足によって金融機関の融資審査を通りづらい点にあります。特に、M&Aにかかる費用は「設備投資」ではなく「のれん代」や「仲介手数料」など無形資産が中心のため、金融機関が慎重になりがちです。

また、自己資金のみで対応しようとすると、買収後の運転資金や統合費用が不足し、経営を圧迫するリスクもあります。
このような背景から、中小企業がM&Aを成功させるには、複数の資金調達手段を組み合わせた“戦略的な資金計画”が欠かせません。

資金調達手段① 自己資金・社内リソースの活用

最もシンプルでスピーディに実行できるのが、自己資金や社内の余剰資金を活用する方法です。
外部調達に比べて手続きが少なく、秘密保持性も高いため、小規模M&Aやグループ内再編に適しています。

メリット

  • 借入が不要で返済リスクがない
  • 意思決定を迅速に進められる
  • 外部に情報が漏れにくい

注意点

  • 手元資金を使いすぎると運転資金が不足する
  • 大規模なM&Aには不向き
  • 資金余力が減り、他の投資機会を逃すリスクも

リスク分散の観点からも、自己資金に依存しすぎず、他の調達手段と組み合わせるのが理想です。

資金調達手段② 銀行・信用金庫・政府系金融機関の融資

中小企業のM&A資金調達で最も多く利用されるのが、銀行や信用金庫からの融資です。
信用保証協会付き融資や日本政策金融公庫の制度融資を活用することで、資金負担を抑えつつ実行できます。

主な制度例

  • 日本政策金融公庫「中小企業経営力強化資金」「挑戦支援資金」
  • 地方自治体の事業承継支援融資制度

審査で重視されるポイント

  • 買収先企業の収益性・将来性
  • 統合後の事業計画と返済計画の具体性
  • 自社の信用力・財務状況

また、「事業承継・引継ぎ補助金」などの国の補助制度を併用すれば、自己負担をさらに軽減できます。
金融機関との信頼関係づくりや、専門家による資料整備が審査通過の鍵となります。

【出典:中小企業庁(経済産業省) 官報

資金調達手段③ ファンド・投資家による出資

ファンドや投資家から出資を受けてM&Aを行う方法は、成長戦略型の企業に最適です。
資金調達だけでなく、経営ノウハウやネットワークの支援も得られるため、中長期的な成長を目指す企業に向いています。

主なファンドの種類

  • 事業承継ファンド:後継者不在企業の承継を支援
  • 地域活性化ファンド:地方銀行・自治体系が出資
  • プライベート・エクイティ(PE)ファンド:経営支援型の長期投資

メリット

  • 借入ではなく自己資本として調達できる
  • 専門家の支援で企業価値を高めやすい

注意点

  • 出資比率や経営関与度によって意思決定が制約されることも
  • EXIT(投資回収)条件を明確にしておく必要がある

その他の選択肢|クラウドファンディング・ノンバンク・自治体支援

M&A資金調達は、銀行融資やファンドだけではありません。近年では、スピードや柔軟性を重視した代替手段も増えています。

代表的な選択肢

  • ノンバンク融資:担保が少なくても利用でき、審査が早い(ABL=売掛債権担保融資など)
  • クラウドファンディング:地域住民や投資家から小口出資を募り、社会性の高いM&Aに活用
  • 自治体・商工会の補助金:地域限定のM&A・事業承継支援制度(例:地域ファンドや承継補助金)

これらは単独よりも、他の手段と組み合わせて活用することで柔軟な資金戦略が立てられます。
特にスピード感が求められるM&Aでは、有効な補完手段となります。

目的・状況別|最適な資金調達手段の選び方(参考例)

M&A資金の調達方法は、企業の状況や目的によって適した手段が異なります。
ここでは「代表的なケース別に、よく選ばれている資金調達手段」をまとめた一例をご紹介します。

実際の選定にあたっては、複数の方法を組み合わせたり、専門家の意見を取り入れながら柔軟に検討することが大切です。

目的・状況選ばれやすい資金調達手段(例)
小規模な買収・スピード重視自己資金 + 銀行融資
店舗拡大・ノウハウ取得など成長戦略型M&Aファンド出資 + 金融機関融資
後継者不在による事業承継M&A政府系金融機関の制度融資 + 補助金
債務超過などで借入が難しいノンバンク融資 + クラウドファンディング
地域密着型・社会性のある買収地域ファンド + 自治体支援制度

※上記はあくまで一例です。自社の経営方針・財務状況・M&Aスキームに応じて、最適な組み合わせを検討しましょう。

M&A資金調達の成功事例|中小企業による実践例

■ FUNDiT株式会社|ファンド出資を活用したM&A体制強化(2024年7月)

中小型IT事業のロールアップ戦略を推進するため、Dual Bridge CapitalやかんぽNEXTなど複数のファンドから第三者割当増資を実施し、M&A資金を調達。これにより、100件以上の買収実行体制を構築し、M&A戦略のスピードと規模を拡大しました。

【出典:株式会社FUNDiT│PR TIMES

■ テックタッチ株式会社|公的融資を活用した成長型M&A(2023年2月)

日本政策金融公庫より約2.5億円の新株予約権付融資を受け、M&Aおよび事業拡大資金として活用。調達資金で開発人材の確保や技術基盤の強化を行い、SaaS事業の成長を加速させています。

【出典:テックタッチ株式会社│公式プレスリリース

まとめ|中小企業こそ“資金調達型M&A”で成長を加速

中小企業にとって、M&Aは単なる「会社の売買」ではなく、事業の承継・成長を実現するための経営戦略です。
特に、自己資金・銀行融資・ファンド出資などを上手に組み合わせる「資金調達型M&A」は、限られたリソースでも大きな成果を生み出せる実践的な手法です。

早期に資金調達の選択肢を整理し、金融機関や専門家と連携して計画的に準備を進めることで、買収のスピード・スケール・成功率を高めることができます。

M&A資金の課題に直面している経営者こそ、戦略的な資金調達を軸にしたM&A戦略を構築することで、
次の成長ステージへ一歩ずつ前進していけるはずです。


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