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【2026年最新版】化粧品製造業界の将来性とM&A動向|事業承継・売却を成功させるポイント 

近年、化粧品製造業界では、海外企業との競争激化や規制対応の高度化、そして後継者不足といった複合的な課題が顕在化し、経営判断の難易度が高まっています。特に中小のOEM・ODM企業においては、「技術力はあるが成長戦略に悩む」「事業承継の見通しが立たない」といった声も少なくありません。

一方で、世界の化粧品市場は拡大を続けており、国内企業にとっても依然として成長機会は存在しています。このような環境下で注目されているのが、M&A(譲渡・売却)による事業承継や成長戦略の実現です。

しかし、「自社にM&Aは必要なのか」「どのタイミングで検討すべきか」といった判断は容易ではありません。

本記事では、化粧品製造業界の現状や将来性、業界特有の課題を整理したうえで、M&Aの動向と活用メリット、さらに事業承継・売却を成功させるためのポイントまでを解説します。
経営判断の一助として、ぜひ最後までご覧ください。

【記事提供:株式会社たすきコンサルティング】
株式会社たすきコンサルティングは、中小企業の事業承継・M&Aを専門に支援するM&A仲介会社です。約20年にわたる財務コンサルティングを基盤に、公認会計士・税理士などの専門家と連携しながら、全国の中小企業を対象にM&Aの検討から成約までをサポートしています。
中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録し、一般社団法人「M&A支援機関協会」にも加盟しています。
※中小M&Aガイドライン(第3版)遵守の宣言について

化粧品製造業界とは?|ビジネスモデルと市場の全体像

化粧品製造業界は一見すると、大手ブランドによる華やかな「ブランドビジネス」の印象が強い業界ですが、その実態は研究開発・製造・販売が高度に分業された産業構造を持っています。特に中小企業にとっては、自社ブランドの有無だけでなく、どの機能(開発・製造・販売)で価値を発揮するかが、収益性や成長性を大きく左右します。

ここでは、業界の全体像とビジネスモデルを整理し、自社の立ち位置を見直すための視点を解説します。

化粧品製造業の主なビジネスモデル(OEM・ODM・自社ブランド)

化粧品製造業は、大きく以下の3つのビジネスモデルに分類されます。

① OEM(受託製造)

ブランドホルダーから仕様を受け取り、製造を担うモデルです。一定の受注が見込める一方で、価格主導権は発注側にあり、利益率の確保や顧客依存のリスクが課題となります。

② ODM(企画開発型受託)

処方開発や製品企画から提案し、製造まで一貫して担うモデルです。OEMよりも付加価値が高く、技術力・提案力が競争力の源泉となります。

③ 自社ブランド(D2C含む)

自社でブランドを保有し、販売まで行うモデルです。利益率は高い一方で、マーケティング・販路開拓・在庫管理など経営負担が大きい点が特徴です。中小企業では、OEMを基盤としながらODMや自社ブランドへ展開するなど、複数モデルを組み合わせた経営が一般的です。

収益構造とバリューチェーンの特徴

化粧品製造業は、他の製造業とは異なる収益構造を持っています。

経済産業省の資料では、化粧品業界は他業種と比較して売上原価率が低く、販売促進費やマーケティング費の比率が相対的に高い構造であることが指摘されています。

これは、製品そのものの品質だけでなく、ブランド価値や販促活動が売上に大きく影響する業界特性を示しています。

バリューチェーンは以下のように整理できます。

  • 原料開発・調達
  • 処方設計・研究開発
  • 製造(充填・包装)
  • ブランド・マーケティング
  • 販売(EC・店舗・海外)

近年は特に、「製造」よりも「ブランド・販路」の価値が相対的に高まっている点が重要です。このため、製造機能だけでは収益拡大に限界が生じやすく、他機能との連携が経営上のテーマとなっています。

中小企業の役割とポジション

化粧品製造業界は、少数の大手企業と多数の中小規模事業者による二極化構造が特徴です。上位企業がブランド力や販売チャネルを握る一方で、多くの企業がOEM・ODMとして製造機能を担い、産業全体を下支えしています。

実際に、上位10社で市場の約5割を占める一方、残りの約5割は約3,000社によって構成されています。こうした構造からも、中小規模事業者が業界の重要な基盤となっていることがうかがえます。

【出典:化粧品製造業をめぐる状況│経済産業省

中小企業の主な強みとしては、以下が挙げられます。

  • 特定分野に特化した処方・技術力
  • 小ロット・多品種への柔軟な対応力
  • ニッチ市場への適応力

一方で、

  • 特定顧客への依存度の高さ
  • 自社ブランドを持たないことによる収益構造の制約
  • 人材不足や後継者問題

といった構造的な課題も抱えています。

「 どの機能で価値を出すか 」が経営の分岐点

化粧品製造業界では、「製造しているだけ」では差別化が難しい時代に入っています。

  • OEMとしてスケールを追求するのか
  • ODMとして付加価値を高めるのか
  • 自社ブランドで市場に出るのか

この選択によって、必要な投資・人材・リスクは大きく変わります。

さらに近年では、こうした戦略選択の延長線上に、M&A(譲渡・売却)による機能補完や成長加速という選択肢も現実的なものとなっています。

自社単独で成長を目指すのか、外部と連携するのか。
その判断を行うためにも、まずは業界構造と自社の立ち位置を正確に把握することが重要です。将来的にM&Aを含めた選択肢を検討するうえでも、こうした視点が重要になります。

化粧品製造業界の市場動向|国内縮小と海外成長の実態

化粧品製造業界を取り巻く市場環境は、国内市場の伸び悩みと海外市場の成長という対照的な構造にあります。特に近年は、インバウンド需要の変動や海外ブランドの台頭により、国内企業の競争環境は大きく変化しています。

ここでは、国内外の市場動向を整理し、今後の経営判断に影響を与えるポイントを確認します。

国内市場の動向|回復途上にある成熟市場

経済産業省の生産動態統計によると、2024年の国内化粧品出荷額は1兆3,745億円(前年比5.5%増加)となり、回復基調にあります。

【出典:化粧品統計│日本化粧品工業会

しかし、コロナ禍により訪日外国人による購買需要(インバウンド需要)が大きく減少した影響から、市場は完全には回復していない状況です。足元では回復の兆しが見られるものの、コロナ前の水準にはまだ届いていません。 また、品目別に見ると、化粧水や美容液、ファンデーションといった主力カテゴリの出荷額が減少しており、市場全体として成熟・停滞傾向にあり、新たな成長余地が限定的であることが読み取れます。

【出典:化粧品製造業をめぐる状況│経済産業省

海外市場の成長性|拡大するグローバル需要

一方で、世界の化粧品市場は拡大を続けています。市場規模は約70兆円に達し、年率4〜6%程度で成長しているとされています。

日本は世界第4位の市場規模を有していますが、米国や中国と比較すると成長余地は限定的です。そのため、多くの企業が海外市場への展開を重要な成長戦略と位置づけています。

特にアジア市場では、日本製化粧品の品質や安全性に対する評価は依然として高く、適切な戦略を取れば競争優位を確立できる余地もあります。

しかし、海外市場への展開には、各国の規制対応や販売チャネルの構築など高いハードルも伴います。そのため、自社単独での展開が難しい場合には、外部企業との連携やM&Aといった選択肢も現実的な戦略として検討されるケースが増えています。

【出典:化粧品製造業をめぐる状況│経済産業省

日本企業の課題|輸出伸び悩みと競争力の差

しかしながら、日本の化粧品輸出は近年伸び悩みの傾向も見られます。

一時期は拡大していた輸出額も、2021年以降は減少に転じており、韓国企業の輸出成長と比較するとその差は明確です。韓国は日本の約2倍のペースで輸出を伸ばしてきた実績があり、グローバル市場における競争力の差が浮き彫りになっています。

背景には、商品開発スピードの違い、現地ニーズへの適応力、マーケティング戦略の差などがあると考えられます。

【出典:化粧品製造業をめぐる状況│経済産業省

市場環境の変化が意味するもの

化粧品製造業界は、国内市場の成熟と海外市場の成長という構造の中で、競争環境が大きく変化しています。こうした状況では、従来の延長線上の経営だけでは成長が難しくなっています。

特に中小企業にとっては、国内依存を続けるのか、海外展開や外部連携を進めるのかといった戦略の見直しが求められています。

化粧品製造業界の構造と特徴|なぜ中小企業が多いのか

化粧品製造業界は、少数の大手企業と多数の中小企業によって構成される二極化構造が特徴です。ブランド力と販路を持つ企業が市場を主導する一方で、多くの中小企業がOEM・ODMとして製造機能を担い、業界全体を支えています。

このような構造は、業界特有の参入特性に起因しています。化粧品製造は許認可が必要な業種ではあるものの、重工業のような巨額の設備投資を必要とせず、処方や成分・用途ごとに細分化された市場において、特定領域に特化した技術を持つ中小企業でも競争力を発揮しやすい環境となっています。

一方で、この分業構造は中小企業にとって制約にもなります。製造機能に特化することで価格主導権を持ちにくく、顧客依存度が高まりやすいという課題は、業界構造そのものに起因しており、自社単独での成長に限界が生じやすい点を押さえておく必要があります。

業界特有の課題と経営リスク|M&Aが増加する背景

化粧品製造業界は成長余地のある分野である一方、外からは見えにくい構造的な課題を抱えています。こうした課題は近年、事業承継の問題とも複合的に絡み合い、M&Aを経営の選択肢として検討する企業が増える背景となっています。

OEM依存による収益構造の限界と主導権の弱さ

多くの中小企業はOEM・ODMを中心に事業を展開していますが、取引条件や価格決定権は発注側にあることが多く、利益率が圧迫されやすい傾向にあります。また、特定顧客への依存度が高まることで、取引縮小や契約終了が業績悪化に直結するリスクもあります。

売上は安定しているように見えても、自社主導で成長をコントロールしにくい構造になっている点が大きな課題です。こうした状況から、販路やブランドを持つ企業との統合を通じて、より主体的な事業運営を目指す動きがM&Aの背景として存在しています。

規制対応の高度化と海外展開のハードル

化粧品は人の肌に直接触れる製品であるため、薬機法をはじめとした各種規制への対応が不可欠です。近年は成分表示や品質管理基準の厳格化が進んでおり、対応コストは年々増加しています。さらに海外展開を視野に入れる場合には、各国ごとに異なる規制や認証への対応が求められ、専門人材の確保や体制整備が大きな負担となります。

特に中小企業にとっては、これらを単独で対応することが難しく、海外展開の実績・体制を持つ企業との連携を目的としたM&Aが選択されるケースも増えています。

人材不足と技術承継の難しさ

化粧品製造業では、処方開発や品質管理など専門性の高い人材が不可欠ですが、業界全体として採用・育成ともに課題を抱えています。さらに、処方や製造ノウハウは属人化しやすく、長年の経験によって蓄積された暗黙知であることも多いため、後継者がいたとしても技術承継が進まず、事業の継続が難しくなるリスクが生じます。

こうした背景から、個人への依存度を下げ、組織として技術を維持できる体制を持つ企業への譲渡が検討されるケースも増えています。

設備投資と品質維持のジレンマ

品質維持や生産効率向上のために定期的な設備投資が求められる一方、中小企業では資金面の制約から十分な投資が難しく、老朽化設備のまま運用せざるを得ないケースも見られます。品質トラブルが発生した場合の影響は大きく、ブランド毀損や取引停止といったリスクにも直結します。「投資しなければリスクが高まるが、投資余力も限られる」というジレンマは、多くの中小企業に共通する課題です。

買い手側のニーズが業界再編を後押しする

M&Aの増加は売り手側の事情だけでなく、買い手側の戦略とも密接に関係しています。大手企業やブランド企業が製造機能・技術力の内製化を目的に中小製造企業を取り込む動きや、OEM企業同士がスケールメリットや対応領域の拡大を図る統合も進んでいます。化粧品製造業界のM&Aは、単なる事業承継にとどまらず、機能補完や競争力強化を目的とした再編の一環として進んでいるといえます。

M&A(譲渡・売却)を検討するメリット|経営戦略としての選択

化粧品製造業界において、M&A(譲渡・売却)は単なる事業承継の手段ではなく、経営課題の解決と成長を同時に実現する戦略的な選択肢として位置づけられています。OEM依存や規制対応、技術承継といった課題は自社単独での解決が難しいケースも多く、M&Aはこれらを一度に解決し得る手段となります。

経営資源を補完し、成長機会を広げられる

海外展開や研究開発の高度化など単独では対応が難しいテーマにおいて、資本力・人材・販路を持つ企業との統合により、これまでの制約を解消し成長の選択肢を広げることができます。

OEM依存から脱却し、収益構造を転換できる

OEM中心のビジネスモデルでは価格決定権を持ちにくく、利益率の改善が難しい構造的な課題があります。ブランドや販売チャネルを持つ企業と一体化することで、製造機能に依存しない収益モデルへの転換と付加価値の向上が期待できます。

経営リスクの軽減につながる

M&Aによって経営基盤を強化することで、事業運営の安定性が高まり、長期的な経営の選択肢も広がります。個人保証の解消など、経営者個人のリスク軽減につながるケースもあります。

化粧品製造業界におけるM&A(譲渡・売却)の成功ポイント

化粧品製造業界におけるM&Aは、無形資産の整理と引き継ぎ設計が成否を左右します。以下のポイントを事前に確認しておくことが重要です。

✔ 技術・ノウハウの見える化

処方や製造ノウハウの属人化は評価低下につながります。文書化・標準化により、事業の再現性を示すことが重要です。

✔ 顧客構成のバランス

特定顧客への依存はリスクとして評価されます。売上構成や契約関係を整理し、安定性を明確にしておく必要があります。

✔ 規制対応・品質体制の整備

許認可や品質管理体制は重要な評価ポイントです。対応状況を可視化し、リスクを排除しておくことが求められます。

✔ 引き継ぎ(PMI)の設計

技術や顧客関係の引き継ぎが不十分な場合、統合後のトラブルにつながります。関与範囲を事前に整理しておくことが重要です。

✔ 業界理解のある相手・支援体制の選定

業界特有の評価軸を理解しているかどうかで結果は大きく変わります。適切なパートナー選びが重要です。

化粧品製造業界のM&A事例|実際に起きている再編の動き

化粧品製造業界のM&Aは、大きく「成長を目的とした戦略的M&A」と「構造変化に対応する再編型M&A」に分けられます。

< 戦略的M&A >

戦略的M&Aとは、事業承継ではなく、成長や競争力強化を目的として行われるM&Aを指します。化粧品業界では、ブランド・販路・市場を補完する手段として活用されるケースが多く見られます。

丸紅によるエトヴォスの子会社化(2026年1月)

丸紅株式会社は、スキンケア・コスメブランドを展開する株式会社エトヴォスの株式を取得し、同社を完全子会社化しました。

丸紅はこれまで多様な事業領域で投資・事業開発を行ってきましたが、エトヴォスは敏感肌向けの高付加価値製品で独自のポジションを確立しています。本件により、丸紅は化粧品領域への本格参入とともに、ブランド事業の強化を図る狙いがあります。

ブランド力が競争優位の源泉となる化粧品業界において、本件は、異業種企業がM&Aを通じて市場参入を加速させる戦略的投資の典型例といえます。

【出典:丸紅株式会社|公式プレスリリース

コーセーによるPURI CO.,LTD.の買収(2024年12月)

株式会社コーセーは、タイを拠点にホリスティックウェルネスブランド「PAÑPURI(パンピューリ)」を展開するPURI CO.,LTD.を子会社化し、グローバルサウス市場における事業基盤の強化を進めています。

コーセーは国内でのブランド力を背景に成長してきた一方、PURIはタイの伝統的なウェルネスアプローチに根ざした独自のブランド価値と、フレグランス・スキンケアを中心とした高い商品力を持っています。本件により、コーセーはグローバルサウス市場での存在感を高めながら、ブランドポートフォリオの拡充と海外展開を加速させる体制を構築しています。

各国ごとに消費特性や規制が異なる化粧品市場において、独自のブランド価値を持つ現地企業を取り込むことでスピードと確実性を両立する戦略的M&Aといえます。

【出典:株式会社コーセー|公式プレスリリース

花王によるBondi Sands社の買収(2023年8月)

花王株式会社は、オーストラリア発のスキンケアブランドであるBondi Sands Australia Pty Ltd(本社:オーストラリア)を買収しました。

花王はグローバル市場でのブランド強化を進める中で、Bondi Sandsの持つブランド力や商品開発力を取り込むことで、スキンケア領域の競争力向上を図っています。

自社でブランドを育成するには時間と投資が必要ですが、本件はM&Aを活用することで、即戦力となるブランドを獲得し、事業拡張を図る戦略的な取り組みといえます。

【出典:花王株式会社|公式プレスリリース

ロレアルによるタカミの買収(2021年2月)

世界最大の化粧品メーカーである仏・ロレアル(本社:パリ)は、日本発のスキンケアブランドである株式会社タカミの買収を完了し、同ブランドのさらなる展開を進めています。

タカミは国内市場で確立されたブランド価値と顧客基盤を持っており、ロレアルはその価値を活かしながらさらなる成長を図る狙いがあります。 国内で評価されたブランドを基盤に成長を加速させる手段として、M&Aが活用されている代表的な事例です。

【出典:ロレアル株式会社|公式プレスリリース

< 再編型M&A >

再編型M&Aとは、成長だけでなく、事業基盤の強化や経営課題への対応を目的として行われるM&Aを指します。化粧品製造業界では、OEM構造や技術承継、人材不足といった課題を背景に、機能統合や体制強化を目的とした動きが見られます。

日本コルマーによるトキワ・コスメティクス・グループの子会社化(2024年6月)

化粧品OEM大手である日本コルマーホールディングス株式会社は、トキワ・コスメティクス・グループを子会社化しました。

両社はそれぞれ化粧品の受託製造に強みを持っており、本件により生産能力の拡大や技術領域の補完を図るとともに、多品種・小ロット対応力の強化を進めています。

競争環境が高度化する中で、単独では対応が難しい領域を補完し合うことで、事業基盤を強化する動きといえます。

【出典:日本コルマーホールディングス株式会社|公式プレスリリース

ちふれホールディングスによるアイメイトの事業譲受(2022年7月)

ちふれホールディングス株式会社は、化粧ペンシルをはじめとするメイクアップ化粧品の製造を手がける株式会社アイメイトと事業譲渡契約を締結し、同社の事業・商号・従業員を引き継ぐ形で事業を承継しました。

本件は、アイメイトが長年にわたって培ってきた製造技術・生産力をグループ内に取り込み、製造・開発機能の強化や商品の安定供給体制の構築を目的としたものです。株式取得ではなく事業譲渡というスキームにより、必要な機能・技術・人材を直接承継する形で、グループの生産基盤を強化しています。

化粧品業界において本件は、外部環境の変化に対応するために、グループ内で機能を統合し事業基盤を強化する再編型M&Aの代表的な事例です。

【出典:ちふれホールディングス株式会社|公式プレスリリース

資生堂によるプロフェッショナル事業の譲渡(2022年2月)

株式会社資生堂は、ヘアサロン向けのプロフェッショナル事業を、Henkel AG & Co. KGaA(ドイツのヘンケル社)に譲渡しました。

本件は、資生堂が中長期戦略のもとで事業ポートフォリオの見直しを進める中で実施されたもので、成長領域への資源集中を目的としています。一方で、ヘンケルにとっては、日本・アジアで確立されたブランドや事業基盤を取り込むことで、同領域の強化を図る狙いがあります。
化粧品業界において本件は、M&Aが単なる拡大ではなく、事業の選択と集中を進める再編手段として活用されている事例といえます。

【出典:株式会社資生堂|公式プレスリリース

化粧品製造業界の今後の展望とM&Aを検討するタイミング

化粧品製造業界は、国内市場の成熟と海外市場の成長という構造の中で、競争環境が大きく変化しています。加えて、OEM依存による収益制約や人材不足、規制対応の高度化といった課題も重なり、従来の延長線上での成長が難しくなりつつあります。

こうした環境下では、「どの機能で価値を発揮するのか」というポジションの見直しが重要になります。OEMとしてスケールを追求するのか、ODMとして付加価値を高めるのか、あるいはブランド機能を取り込むのかによって、必要な投資やリスクは大きく異なります。

その中で、M&A(譲渡・売却)は、単なる事業承継ではなく、事業構造を転換するための選択肢として位置づけられます。自社単独での成長に限界を感じている場合や、技術・販路・人材といった経営資源に課題を抱えている場合には、外部との連携によって解決できる可能性があります。

市場環境や自社の状況を踏まえ、将来の経営の自由度を高めるためにも、早い段階から選択肢を整理しておくことが重要です。


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化粧品製造業界では、人材不足と技術承継の難しさだけでなく、OEM依存による収益構造の限界、設備投資と品質維持のジレンマといった多重構造の課題が重なっており、多くの経営者様が将来への不安を抱えていらっしゃいます。
事業の譲渡や承継についての第一歩は、専門家への相談から始まります。情報収集や自社評価など、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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